医学部長のメッセージ

医学部⻑ 野出 孝一 Koichi Node
~医学教育と知の価値創造へ~
2023年10月より佐賀大学大学院医学研究科長・医学部長を拝命しました野出孝一でございます。
就任日に開催された、医学部の学びにつなげるための「高大連携プログラム・医療人のとびら」に飛び入りで参加しましたが、休日にも関わらず医師や看護師を志す多くの高校生が来学され、医学生による講義と熱心な討議が行われました。出席された方々の真摯な姿を目の当たりにして、彼らの能力と可能性を佐賀大学医学部で大きく伸ばしていただきたいという思いを強くしました。
佐賀大学医学部の理念は、「科学的創造を通じて医・看護学の知識技術を習得し生涯にわたり発展させる人材を養成する」ことであります。「鉄は熱いうちに打て」の言葉通り、本学では初年次の解剖学や微生物学講義、Early exposureや早期臨床実習など、実践教育と総合的診療能力養成を重視しています。
また、学部を超えた融合授業によるリベラルアーツの修得や早期研究室体験を介した知的好奇心の醸成、世界の先進大学への短期留学での多様な医療人との協働を通して、教養と人間力を備えた医療人を育成しています。
医学部キャンパスは秀峰「天山」の麓に広がる清水と緑溢れる佐賀平野にあり、勉学やスポーツに最高の環境です。
同キャンパスは鍋島家発祥の地にありますが、佐賀藩は藩校である弘学館から大隈重信や副島種臣など維新の逸材を輩出し、医師養成学校の「医学稽古」、医師国家試験の範となる「医業免札制度」や種痘衛生制度を設立し、日本の近代医学の先駆けとなりました。
明治維新から150年を経て、デジタル革命(DX)による階層型社会から自律分散社会へ転換する時代の分水嶺を迎え、地方での活躍のチャンスは広がりつつあります。
この好機に佐賀大学医学部が更なる高みへ飛躍すべく、全国から俊英が参集し多様性を生かしながら「良き医療人の育成を通じた医・看護学の発展と地域包括医療の向上」へ皆様と朋に邁進して参りたいと思います。
1976年に佐賀医科大学として創立された本学は半世紀を迎えようとしています。この時代の転換期に佐賀大学医学部が「医学教育・知の価値創造」の魁となり、自立心で未知に挑戦する鴻鵠の志を備えた多くの若者が本学に集われることを期待しています。
佐賀大学医学部は未来を照らす次代の嚆矢を全力で支援し育成して参ります。
2023年10月好日
佐賀大学大学院医学研究科長・医学部長
野出 孝一